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2022年JET Streams秋・冬号

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2022年JET Streams秋・冬号

 
紹介
 
JETAA-I
 
JETAA(元JET参加者の会)
 
JETの向こうに
 
秋・冬号へようこそ

JET Streams 2022年秋・冬号へようこそ!JETプログラム事業部です。
いつもJET Streamsを読んでいただき深く感謝申し上げます。 鮮やかな紅葉を楽しみつつ、初冬の侯、東京の寒さに負けないよう暖かく過ごしています。

さて、今回はJETAA-IとCLAIRの役員がシンガポールで夕食会を楽しむ様子をお届けします。また、JETAAジャマイカからは、ALT経験者が教師としての経験を振り返る記事をご紹介します。そして、JETAAドイツからは、過去2年間、支部を維持するための革新的な活動や、今後に向けた活動をご紹介いたします。

JET Streamsの新しいライターを募集しています。もしあなたの経験を共有していただける場合は、こちらに記事の提出方法を載せていますのでご確認ください。

JETプログラム事業部は、皆様がこれから迎えるお正月、年末年始をゆっくり過ごされることを願っております。それでは、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願い申し上げます。

 
 
シンガポールにて自治体国際化協会(クレア)メンバーと久しぶりの夕食会

国際JET経験者の会 (JETAA-I)

日程:2022年9月19日(月)
メンバー:自治体国際化協会(クレア)本部 礒部参与、クレアシンガポール事務所 櫻井所長、JETAA-I会長 ナタリー・ン氏、JETAA-Iアドバイザー シェリル・プア氏、JETAAシンガポール支部 チャン・メイ・ウィー氏

2022年9月19日、JETAAインターナショナル(JETAA-I)とJETAAシンガポール支部の会員が、CLAIR本部の礒部参与とCLAIRシンガポール事務所の所長櫻井氏と、礒部参与が出張でシンガポールに滞在中、夕食会で顔を合わせました。礒部参与との前回のミーティングは、2019年開催の国際会議で、新型コロナウイルスのパンデミックが発生する直前でしたので、本当に待望の再会となりました!

やっと再会できた!クレア本部礒部参与、クレアシンガポール事務所櫻井所長、JETAA-I会長ナタリー・ン氏、JETAA-Iアドバイザーシェリル・プア氏、JETAAシンガポール支部 チャン・メイ・ウィー氏の夕食会。

やっと再会できた!クレア本部礒部参与、クレアシンガポール事務所櫻井所長、JETAA-I会長ナタリー・ン氏、JETAA-Iアドバイザーシェリル・プア氏、JETAAシンガポール支部 チャン・メイ・ウィー氏の夕食会。

この集まりは、礒部参与が出張でシンガポールを通過する際、前回のシンガポール出張で出会ったJET経験者と再会したいと思ってくださったことがきっかけでした。礒部参与が前回の出張で会ったメンバーと同じくJETAA-Iボードアドバイザーのシェリル・プア氏、JETAAシンガポールメンバーのチャン・メイ・ウィー氏が集まりました。現在のJETAAシンガポール支部の会長、ティー・リネン氏も呼ばれていましたが、残念ながら仕事の都合で来ることができませんでした。

短い時間ではありましたが、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響でこの2年半ほど日本に帰っていなかった私たちは、夕食会で生まれた親近感に非常に感動しました。夕食会では、日本語と英語を混ぜながら、2022年の11月に東京で開催される予定の国際会議の話をしました。国際会議で話し合われるトピックや、日本に観光で帰れるようになったら、まず何をするかという楽しい話をしました。シェリルは「第2ふるさと」である行橋市について、私は羽田空港に降りたらいつもコンビニで買っているおにぎりについて話しました。

美味しいお酒の試飲をみんなで楽しみました。「JINJO」という炭焼き・日本酒専門の日本料理屋さんで店員三浦氏に日本食を案内してもらいました。

CLAIRシンガポールの櫻井所長は、日本ソムリエ協会の「JSA Sake Diploma」の資格をお持ちであることに驚きました。櫻井所長は私たちのために、日本から持参した特別なお酒を開け、東北の世界へ案内してくださいました。「満寿泉」というお酒に水を加え、オーク樽で熟成させたオーク樽熟成貴醸酒を飲んだとき、私たちは非常に感動したのです。この夕食会で感じた「おもてなし」は、JET参加者の頃に周りにおもてなしを受けたことを思い出させてくれました。櫻井所長の心遣いに感動し、日本酒の世界とその醸造法の多様性には目を見張るものがありました。

夕食会が終わった後、日本が大変恋しくなり、近い将来、日本で友人たちと再会できることを心から願っていました。

 
コロナに負けない!

JETAA ドイツ支部代表トゥラシェフスキ・スヴェン、元札幌市CIR (2006年~2010年)

SARSが発生した2002年から2004年にかけて、私は中国の天津(北京の近く)にある南海大学で勉強していました。この経験のおかげか、コロナの流行が始まったとき、私は周りの人ほどモヤモヤした気持ちをあまり抱いていませんでした。しかし、コロナの規模と深刻な影響がわかったとき、私は絶望しました。一番の理由としては、私は人と人との交流に一生を捧げてきたと言っても過言ではないにも関わらず、今まで頑張ってきた「人との出会い」が突然危険なものに変わったからです。

私は2012年からベルリン日独センターのプロジェクトマネジメントのチームに所属しており、主に会議と日独ヤングリーダーズ・フォーラムという交換留学プログラムを担当しています。コロナが広まったとき、私の勤務体制が激変しました。会議などの形式がオンラインに変わり、技術的な経験だけではなく、交流を促進及び支援するオンラインのツールを利用する経験も積むことができました。

オンラインで出会う - 離れていながら一緒

オンラインで出会う – 離れていながら一緒

ドイツ人の新規JETの採用プロセスも来日直前オリエンテーションもオンラインで行われました。例年だとオリエンテーションの後にJET経験者と新規JETが日本大使館でのレセプションに招待され、お互いに出会ったり情報交換したりするのですが、残念なことにそれも実施できませんでした。JETAAドイツ支部がオンラインで実施した最初のイベントは、2021年1月17日にZOOMで開催された新年会でした。約50人が参加したのですが、JETAAドイツ支部が300人の現役メンバーしかいない小さい支部だと考えると、かなりの数です。ドイツでの一番大きいグループのベルリンでも、集まるときに約10人~15人しか参加していません。

驚いたことにメンバー同士の交流が予想以上に多く、そこで、次のオンラインイベントとして、2021年4月25日に「Wonder」というオンラインプラットフォームに「Cherry Blossom Gathering」を開催するやる気が出てきました。このツールは、ブレイクアウトルームを作らなくても、魔法のようにグループができあがるので、非公式のオンライン会議に最適です。メンバーは、本物のパーティーのように、「ぶらぶら」し、グループからグループへ簡単に「ホップ」することができます。2021年10月17日、その間に来日して隔離中であったドイツ人の新規JET参加者8名(2020年採用5名、2021年採用で3名)と支部会員のオンライン交流会を開催することにしました。2022年1月9日、新年会をWonderで開催したことで1年間のオンラインミーティングが完了となりました!今年もワンダーを使い続け、2022年4月3日、オンライン花見を再び開催しました。そして、今年の新しいドイツ人JETが日本に出発する少し前の2022年8月14日にも、オンラインでミーティングを行いました!

対面式で集まる - ブランケットをシェアしながら、グローバルなつながりを楽しんでいました。

対面式で集まる – ブランケットをシェアしながら、グローバルなつながりを楽しんでいました。

この新しいオンライン集会は元々、直接会う会議の代わりとして始められましたが、たとえ対面式で再び会うことができるようになったとしても、オンライン集会を続けることにしました。その理由は、オンラインという形式は、代用というよりも、当支部の様々なメンバーが出会うための新たなチャンスであることが分かったからです。現在、ドイツ国外では最大のドイツ人JET経験者がいる日本からもオンライン集会に参加してくれている会員がいます。支部のメンバーは、距離を越えて参加することができ、支部は以前よりも親しい関係ができているような気がしています。

とはいえ、ドイツの JETAAコミュニティーのつながりを維持するために、直接会って話をすることは、これからも欠かせません。そのため、2022年6月12日にベルリンのJETAA支部が再び屋外でピクニックをすることができたときは、とても嬉しかったです。Zoomのバーチャル画像のスクリーンショットだけでなく、ようやくお互いが向き合って座る様子が撮影できたことも嬉しいですね。

そして、日本への海外旅行が近い将来、日常的なものに戻ることを願っています。私と同じように「もう一つのふるさと」である日本を恋しがり、再び日本の地を踏み、全身で日本を再び体験することを待ちきれないJET経験者がたくさんいるはずです。私たちは人間であり、サーバーでつながった機械ではないのですから。日本の空港で「ただいま」の声と「おかえりなさい」の声を聞くのが楽しみです。


プロフィール
トゥラシェフスキ・スヴェン氏はニュルンベルク(南ドイツ)出身で現在はベルリンに住んでいます。日本学と中国学の修士号を取得し、2006年から2010年にかけて札幌市にて、CIRとして活動しました。現在、「日独ヤングリーダーズフォーラム」及び「ベルリン日独センター会議」(JDZB)の交流事業プロジェクトマネージャーを務めています。

 
 
夢を実現するJETプログラム

サマンサ・マイルズ、元愛媛県ALT(2015年~2021年)

 
2016年の松山市青少年センターのEトーク・キャンプ

2016年の松山市青少年センターのEトーク・キャンプ

JETプログラムは夢の実現でした。読者好きの私は、読書を通して自分のことかのように世界を旅したり体験したりしてきました。しかし、若いママとして、子育てだけだはなく、教育大学に通いながら、自分の家庭とキャリアを築くことで精一杯でした。世界を旅するという私の夢は、ただの夢にすぎませんでした。私が30代半ばの頃に、子供が実家から出ていき、仕事もそろそろ休むころだと気づきました。15年間続けてきた仕事に行き詰りを感じ、この暇な時間でどうしようとパンニックになりそうでした。面白そうな仕事を探し、インターネットを調べまくっていました。その時に、JETプログラムに出会いました。奇跡的に、応募者の年齢制限がちょうど上がったところでしたので、神様の介入かのようでした。2週間後にジャマイカの在外公館に申込書を送り、全ての書類を提出しました。

応募してみても失うものは何もなかったので、面接で割とリラックスした状態で他の応募者と楽しく喋ったり冗談を言ったりしていました。そのときに、アニメという存在さえ知らなかった私は、日本の文化やアニメに夢中している人もいると初めて知りました。「るろうに剣心」という映画や「おしん」という昔のドラマぐらいしか知らず、テレビで日本の進んだ技術についてのドキュメンタリーも見たことがありました。私は18歳の時に始まった教師としてのキャリアを踏まえて自分の年齢をよく自覚しおり、自分のやり方に固執しているおばあさんだと思われていたかもしれませんが、面接で自分の能力を発揮することができ、いつの間にか私が初めて母国のジャマイカを離れることになりました。

気づいたら、日本に着陸し、成田空港からのバスで頭が痛くなるぐらい日本の慣れない景色と音を吸収しようとしていました。全てが素晴らしかったです!残念なことに、2日間の移動と時差ボケのせいで京王プラザでの来日直後オリエンテーションで爆睡したもの、松山市の代表者との交流会ではギリギリ起きていられました。松山市にはジャマイカ出身の参加者が5人いましたが、愛媛県には更にたくさんのジャマイカ出身の参加者がいました。配置先に対する苦情をネットで読んだことのある私は、少し不安でしたが、すぐにうちの任用団体が最高だと知り、とても安心しました。アパートがすでに住める状態になっており、任用団体のスタッフとボランティアで来ているALTが私の新しい生活に備えて色々手伝ってくれていました。

弘法大師に植えられたこの木に触ると、長生きすると言われている

弘法大師に植えられたこの木に触ると、長生きすると言われている

しかし全てが上手く行かず、仕事の初日に違うバスに乗ってしまい、日本語学習の大切さがすぐにわかりました。この経験をきっかけにして愛媛県国際交流協会の家庭教師と日本語学習を始めることにしました。その結果、6年後に日本語で日常的な会話を問題なく行うことができました。

教育実習生を受け入れたことのある教師の私にとっては、日本のような先進国での教育現状を観察する機会が貴重でした。2つの中学校、4つの小学校、1つの公民館で日本の教育制度を観察しながら参加者することもできました。周りの先生たちは、すごくフレンドリーで団結心が強かったので、時々母国のジャマイカに帰ったかのような気分になりました。ジャマイカには生徒のためになる教材が不足していますが、日本の先生と生徒に役立つ無料の教材がたくさんあり、羨ましかったです。ジャマイカでは、物を捨てずにどうやってクラスのために再利用できるかを常に考えているため、世界的なリサイクルのプロになっている気分です。日本の先生の報酬も素晴らしいと思いました。仕事が滞らないように先生たちが頻繁的に異動されることも私にとって魅力的でした。この異動は、先生たちができるだけ均等に分配されるようにも役に立ちました。先生向けの研修や訓練のおかげで授業をより効率的に行えるようになった先生もいました。

残念ながら、生徒のよろしくない態度や行動を見ることもありました。先生たちや教育委員会の方々が現実的な問題への対処に苦慮することに、私は苛立ちを覚えましたが、こういう問題は世界中の先生が直面している問題であり、行動上の問題や精神的な問題への対処方法も国によって異なりますので、その違いも私にとって興味深いことでした。

しかし日常的には、ほとんどの生徒は自制心があり、先生がいなくても騒がずに自習することができました。教材などが大量にあるおかげで生徒は学校であまり苦労せずに好成績を楽々と挙げることができたようで、これも私にとって大変興味深いことでした。生徒が夜に塾に通うために日中はエネルギーを溜めているかと思いました。その一方で、ジャマイカでは教材などが少ないため、生徒は学校でその教材をしっかり活用し、一生懸命に勉強します。

私は最初から5年間過ごす前提で日本に来ましたが、コロナや旅行制限の関係でもう1年延ばしました。インターナショナルスクールで担任先生になることが可能でしたので、日本に残ることを考えたこともありました。日本に残るとジャマイカより高い収入を稼ぐことができ、日本で築いてきた関係を楽しんだり周りの地域や国に行ったりすることもできたかもしれませんが、私はより効率的に働きたいと思い、日本の長い就労時間や事務的な手続きの多さに不満を感じました。それに加えて、周りの先生や知り合いと仲良くなれた途端、その人が異動になったり帰国したりすることが多くあり、その一時的な感じに対して納得がいきませんでした。この感じが数年間続いたところで、新しい関係を築くことに抵抗を感じるようになり、結局は家族のところに戻りたくなってしまいました。いつか観光客として日本に戻りたいという気持ちで日本とお別れしました。

四国お遍路ツアーでお寺を巡り中

四国お遍路ツアーでお寺を巡り中

日本が恋しいですが、現在はジャマイカでまた教師をやっています。ある日、うちのクラスが騒いでいるときに、「座ってください」と叫んでいる生徒の声が聞こえ、とても驚きました。私が時々未だに使ってしまう日本語が生徒までに移ったみたいです。この癖を直すには時間がかかるみたいですね。

日本に行くことで異文化を経験したり海外に旅行したりする夢が叶いました。JETプログラムを通じて私の夢が実現したおかげで、今となっては今後のことをはっきりと考えられ、将来の新しい夢を描くことができました。

日本とJETプログラム、ありがとございました。

プロフィール
ジャマイカのマンチェスター出身のサマンサ・マイルズは25年以上教師をやっています。JETプログラムに参加したときに初めて母国のジャマイカを離れました。2015年から2021年にかけて愛媛県松山市で日本文化について学んだり旅行したりしていました。現在は母国のジャマイカでの学校に戻っており、日本で学んだ授業のアイディアを活用しています。
メールアドレス:lissamegel@yahoo.com

 
 
日本映画祭のオーストラリア開催

国際交流基金シドニー事務所が主催する2022年度の日本映画祭は、世界最大の日本映画のイベントの1つであり、今年度は映画の上映だけではなく、上映後のトークも予定しています。感動的なヒューマンドラマからハラハラするようなスリラー映画まで、今年度は幅広いジャンルを上映予定です。公式ウェブサイトにて上映スケジュールをご覧いただけます。https://japanesefilmfestival.net/

 
 
JET Streamsの記事を募集しています

JET経験者向けのニュースレター「JET Streams」では、JETプログラムでの生活や、プログラム終了後でも、その経験が与え続ける影響をテーマにした記事をご提供しています。CLAIR、世界各地の元JET参加者の会(JETAA)支部、JETAAインターナショナル(JETAA-I)はJET Streamsでそれぞれの活動を世界中に発信しています。また、個人のJET経験者からはエッセイ、記事、写真、就職活動で活かしたJETでの経験などをテーマに様々な内容の記事を執筆いただいています。JET経験者ならどなたでも記事の提出が可能です。幅広いテーマの記事の応募をお待ちしています。JET経験者にご提出いただく記事は、JETプログラム事業部のスタッフが編集に関するアドバイスや翻訳いたします。執筆ガイドラインや1991年以降から約30年に渡る記事はこちらからご確認いただけます。

JET Streams春号の提出締め切りは2023年2月6日(月)です。是非、挑戦してみてください。

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