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2021年JET Streams夏号

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2021年JET Streams夏号

 
お知らせ
 
JETの向こうに
 
JET経験者向け調査について

JET経験者向け調査にご協力ください:2021年7月21日~8月31日

JETプログラム事業部では、JET経験者を対象とした調査を実施しています。この調査は、JETプログラム終了後のJET経験者の生活をより深く理解することにより、JET経験者向けに自治体国際化協会(CLAIR)から提供している様々な支援事業の改善を目的としています。調査の回答期間は2021年7月21日(水)から8月31日(火)までです。オンラインにてご回答いただけます。アンケートの所要時間は15分程度です。

JET経験者向け調査

この調査では、CLAIRが現役JET参加者向けに定期的に行っている研修やセミナーの講師又はパネリストとして参加することへの希望を示す機会もあります。JET終了後に皆さんが歩んできた経験をご紹介いただくことは、現役参加者にとってとても参考になっています。また、昨年からCLAIRが実施している多くのセミナーや研修がオンライン化されたため、世界各国から参加しやすくなりました。最後に、JETプログラムの感想や改善案を記入いただくことも可能です。

★2021年7月21日(水)から8月31日(火)の間に、JET経験者向け調査にアクセスしご回答ください。下記のQRコードからもアクセスができます。

Alumni Survey

 
JETプログラムでの絆を永遠に ~JETプログラム終了後も日本、任用団体及びJETコミュニティとの絆を保つ方法~

自治体国際化協会(CLAIR)JETプログラム事業部

JETプログラムに参加することは、少し夢のような経験でしょう。家族や友人と離れて遠い外国へ旅立ち、日本でさまざまな新しい経験を得ることができます。JETプログラムで積む経験によって人生に対する見方が変わることもあるでしょう。今まで「普通」だと思ってきたことの多くは、自分の文化圏で受け入れられている慣習に過ぎないことに気づくでしょう。視点の変化で得た気づきやプログラムで積んだ経験は、故郷の友人や家族に説明するのが難しいかもしれません。そのため、JETプログラム終了後の生活に慣れていく過程で、寂しい経験をすることがあるかもしれません。

そこで、JET参加者がプログラム終了後の生活にスムーズに慣れていき、皆さんがいた任用団体、CLAIR、日本、及びJETのコミュニティと強い絆を保ち続けられるようにCLAIRや関連組織では、様々な事業や情報発信を実施しています。本記事では、JET経験者向けに提供している事業などの情報についてご紹介させていただきます。日本及びJETコミュニティとのつながりの維持に役に立てていただけると幸いです。

長野県

JETプログラムでできる絆は文化の壁を越えます。
写真:長野県

CLAIRに連絡先を提供すること
プログラムを終了するJET参加者を対象に、CLAIRは連絡先調査を行っていますが、時間が経つにつれて、連絡先が変わることもあると思います。メールアドレスなどの連絡先に変更があった場合は、jet-aa@clair.or.jp まで新規連絡先を知らせてください。CLAIRが正確な連絡先を把握することで、CLAIRや関連団体からイベント開催・出版物の発行などの情報発信を皆さんにすることができます。また、皆さんがいた任用団体がJET経験者に連絡を取りたい場合に、皆さんに繋ぐことができます。また年数回発行しているJET経験者向けのニュースレター「JET Streams」を円滑に受信できます。アドレスの変更に伴う連絡の際に記載いただく内容については、こちらをご確認ください。

JET Streams
JET経験者向けのニュースレター「JET Streams」では、JETプログラムでの生活や、プログラム終了後でも、その経験が与え続ける影響をテーマにした記事をご提供しています。CLAIR、世界各地の元JET参加者の会(JETAA)支部、JETAAインターナショナル(JETAA-I)はJET Streamsでそれぞれの活動を世界中に発信しています。また、個人のJET経験者からはエッセイ、記事、写真、就職活動で活かしたJETでの経験などをテーマに様々な内容の記事を執筆いただいています。JET経験者ならどなたでも記事の提出が可能です。幅広いテーマの記事の応募をお待ちしています。JET経験者にご提出いただく記事は、JETプログラム事業部のスタッフが編集に関するアドバイスや翻訳いたします。執筆ガイドラインや1991年以降から約30年に渡る記事はこちらからご確認いただけます。

JET Streams秋・冬号の提出締め切りは10月4日(月)です。是非、挑戦してみてください。

沖縄県

JET参加者は配属先のコミュニティで様々な役割を果たしています。
写真:沖縄県

JETAA(元JET参加者の会)
元JET参加者の会(JETAA)は、JET経験者の有志を中心に設立・運営されている親睦団体であり、世界各地の支部のネットワークとなっています。JETAAは、JETコミュニティと連絡を取り合ったり、交流イベントの情報などを発信しています。

また、JETAA支部は草の根レベルにおいて国際交流を推進しています。重要な役割を果たしている多くの支部に対して、イベント開催に伴う費用への助成がCLAIR・関係団体から行われています。会員との連絡は、Facebookやメーリングリストを通して行っています。お近くのJETAA支部はこちらからご確認いただけます。

JETAA-I
JET Alumni Association International (JETAA-I)は、JETAA支部を支援し世界中の会員をつなぐため、2016年に再始動されました。JETAA-Iホームページの「ニュースとイベント」セクションに、世界中のJETAA支部が開催するイベント情報が掲載されています。また、JETAA-I役員は定期的にCLAIR及びJETプログラムを運営している関係省庁と国際会議を東京で開催しています。国際会議の目的は、情報交換をすること、世界中のJETAA支部事業の推進、JETプログラムのレガシーを保つことです。

鹿児島県

帰国後も、JETプログラム参加中にできた絆を保つことでJETプログラムのレガシーを推進します。
写真:鹿児島県

KenJETkai
KenJETkaiは、JETAA-Iの下で運営されているJET経験者と皆さんがいた取りまとめ団体をつなぐことを目的とする草の根の取り組みです。異文化交流でできたつながりを維持しつつ、JET経験者・皆さんがいた任用団体との連携事業の開催を促進しています。

KenJETkaiグループは、Facebook上でオンラインにて運営されています。詳しい情報はこちらをご覧ください(英語のみ)。また、皆さんがいた任用団体のKenJETkaiグループについて調べることも可能です。

CLAIRニューヨーク事務所ニュースレター
CLAIRのニューヨーク事務所は、JETAAの活動、日本とアメリカの地方自治体、姉妹都市の友好関係などの国際交流を中心とした「Japan Local Government Center Newsletter」を年2回発行しています。2002年以降発行されてきたニュースレターは、日本とアメリカの地方自治体の活動や、JETプログラム参加者・経験者が国際交流において果たす役割などを紹介しています。

鳥取県

皆様がJETプログラムでできた思い出をいつまでも大切され、今後益々ご活躍されますことを願っております。
写真:鳥取県

上記の各事業・取り組みをご覧いただいたことが、皆様が日本やJETプログラムとのつながりを維持し、JETコミュニティの方々との関わり持つことや、経験を共有するきっかけとなることを願っています。

★JET経験者調査を2021年7月21日(水)~8月31日(火)の間で、こちらからご回答ください。
★JET Streamsの執筆ガイドラインはこちらからご確認をいただけます。10月4日までにご自身の記事を是非ご提出ください。

 
希望の炎

ケビン・ユアン氏、元三重県 CIR、2018年~2020年

オリンピックロゴ

東京2020オリンピック・パラリンピックの招致ロゴ

2013年7月。初めて日本を訪れた僕は、時差ボケと闘いながら、バスの窓から見慣れない東京の都市風景を眺めていました。しばらく景色を堪能していたところ、目に留まったのは1つのビルの壁面にあるカラフルなロゴ。そして、ほとんど誰でも見たことのある五輪マーク。北京五輪とロンドン五輪のテレビ放送を見て楽しんだ僕は興味をひかれたので、カメラを出し、視界から消える前にそのシーンを写真に収めておきました。

その秋、2020年東京五輪の開催が正式に決定されました。オリンピックの開催時期にまた日本へ行こうという思いが一瞬頭をよぎりましたが、まさか数年後、JETプログラムによりそれが現実になるとは、あの時の僕は知る由もありませんでした。

2018年8月。松阪駅から電車を降りた際、期待と不安を覚えました。三重県の多気町という小さな町で国際交流員としての生活がまもなく開始。東京やワシントンD.C.で賑やかな日常を過ごしてきた僕は、人口1万4千人の田舎町で一人暮らしするなんて、さすがに緊張していましたが、元気いっぱいの保育園児を始めとする町民の方々の温かい歓迎を受け、多気町を故郷のように想い始めました。

国際交流員として2年目に入った頃、何らかの形で東京五輪に関わる機会を探し始めました。そんなある日、全都道府県を回るオリンピック聖火リレーを走る聖火ランナーの募集が始まったという話を同僚から聞きました。思い切って応募してみたところ、驚くことに2019年12月、聖火ランナーに選ばれたという連絡を受けました。

多気町

多気町勢和地域の風景

観客やボランティア以外の形でオリンピックに関わることができることは、運動神経が決して良いとは言えない僕にとって千載一遇のチャンスだと思いました。日本で働いている中国系アメリカ人として、オリンピックの「多様性と調和」というビジョンに共感しました。国際交流員として促進してきた国際交流や多様性の大切さを、グローバルな舞台で発信できる機会ができたことはまるで夢のように感じました。4月の走行日だけでなく、2020年代は、自分の人生においていろいろ全力で取り掛かろう、と決心しました。

まぁ、そういうつもりでしたが。

結局、新型コロナウイルスの影響でオリンピックが延期になり、聖火リレーも延期となりました。仕事や生活の活動範囲が狭まってくる中、僕の多気町での生活が静かな終わりを迎え、上京しました。国際交流員としての2年間を振り返ってみるとかなりの満足感がありましたが、最後にさらなる活躍が出来なかったことを残念に感じていました。

聖火リレー

聖火リレーに走行中
写真:伊勢新聞より

そんなことを考えていたところ、延期が決まってから1年後、聖火リレーが再開され、聖火ランナーとして再び三重県に戻れることになりました。聖火リレーが福島県でスタートするとき、感染状況が若干落ち着き、緊急事態宣言も解除されたので、三重県へ戻る心配が少し軽減されました。そして、2021年4月、ようやくその日がやってきました。2年半前と同様に、松阪駅から電車を降りた際には、期待と不安を覚えました。

聖火リレー当日の朝、街中は閑散としていました。多気・松阪の地域でも高齢化・人口減少が進んでおり、昔の最盛期の面影はないかもしれません。それでも、スタート時間が迫ってくるにつれ、道端に人だかりができ、まるで街がよみがえったようでした。周りの人々の楽しんでいる様子を見て、僕も元気づけられました。

元同僚や友達、観客の人々が手を振って見送ってくれる中、僕は聖火を持って走り出しました。最初はトーチの重さが気になりましたが、走っているうちにその違和感が消えました。聖火は風の影響をもろともせず燃え続けながら、僕の中でも希望の炎が燃え上がり、ほんの一瞬だけでも、ここ1年間悩まされ続けてきた不安を吹き飛ばしてくれました。

後日、新聞記事で知りましたが、観客の人たちも街中の盛り上がった雰囲気に喜びや希望を感じてくれたようです。自分を温かく受け入れてくれたコミュニティで代表として走ることができ、1人でも多くの人を笑顔にすることができたのであれば、僕もうれしいです。200メートルはあっという間に終わりましたが、オリンピックに関われたこと、「希望の道を、つなごう」という聖火リレーのコンセプトを胸に刻みながら走れたことは一生忘れられない思い出となりました。

プロフィール
ケビン・ユアン氏は、自治体国際化協会のJETプログラム事業部のプログラム・コーディネーターを務めています。アメリカ合衆国バージニア州出身で、ジョージタウン大学で日本語・経済を専攻し、2018年に卒業。2018年~2020年の2年間、三重県多気町で国際交流員として働きました。日英翻訳家やピアニストとしても活躍中。
LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/kyuanjp/

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