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2018年JET Streams夏号

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JET Streams

2018年JET Streams夏号

ニュース
JETAA(元JET参加者の会)
JETの向こうに
2018 JET ふるさとビジョンプロジェクト

JETプログラム事業部、CLAIR

2018 JETふるさとビジョンプロジェクトを実施します!

本事業では、8人の元JET参加者に里帰りをしていただき、それぞれ元任用団体等のゆかりの地や関わりの深かった地元の人々を訪問し、JETプログラムで紡いだ「絆」を再確認・リコネクトしていただくとともに、皆さんが帰国後に身に付けたスキルや人脈を活かし、観光、経済、教育、文化、地域又は現役JET参加者の支援といったテーマで元任用団体等の「地域活性化等に寄与する企画」を実施していただきます。

今年のふるさとビジョンプロジェクトは、クレアが世界中から送られた40件以上の応募から8件の提案を選択し、その元JET参加者や元任用団体、関係者と調整し、各プロジェクトの目的を達成します。今年のプロジェクトは、東日本の元JET参加者を募集し、昨年の西日本のプロジェクトと同様に成功を収めるよう進めます。

クレアは、元JET参加者の国際化への貢献、元任用団体との関係の維持やJETプログラムの潜在能力の掘起しに注力しています。

2018 JETふるさとビジョンプロジェクトは、東日本の自治体と関連する1週間のプロジェクトであり、10月25日から11月10日までの間、山形県、福島県、栃木県、新潟県、福井県、山梨県、静岡県、愛知県で実施されます。ふるさとビジョンプロジェクトのウェブサイトとInstagramで全てのプロジェクトを確認できます!

来日直後オリエンテーション

JETプログラム事業部、CLAIR

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今年の新規JET参加者を対象とする来日直後オリエンテーションを7月30日~31日、8月6日~7日及び8月20日~21日の3回、各2日間京王プラザホテルにおいて開催しました。来日後、丸2日間のオリエンテーションで、日本各地のALT、CIR及びSEAとしての活動や新しい生活に関する研修を受けました。

クレア、総務省、外務省と文部科学省は職能開発、活用できるスキル、日本における生活への順応やJET参加という機会を最大限に活かす方法に関するセミナーやワークショップを行いました。

2日間のオリエンテーションの翌日、各都道府県・政令指定都市からの取りまとめ団体担当者が、新規JET参加者を新しい在住地域である全国の各自治体まで案内しました。任用当初から、素敵な経験や生涯の友情を生じるコミュニティとの絆を築き始めました。

今年は、35か国から約2,100人の新規参加者が7月・8月に来日し、オリエンテーションに参加しました。2,000人はALTで、130人のCIRと6人のSEAも63の都道府県・政令指定都市に配置され、JETプログラムの冒険の旅に出ました。

オリエンテーションや出発する前のサポートに御協力いただいた元JET参加者へ感謝申し上げます。

新規JET参加者にとって素敵な経験になりますように。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会

JETプログラム事業部、CLAIR

クレアは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との協力により、元JET参加者によるオリンピック・パラリンピックでのボランティア活動を促進しています。

オリンピックは2020年7月24日から8月9日まで開催され、パラリンピックは8月25日から9月6日まで開催されます。

ボランティア募集は競技大会組織委員会のウェブサイトによりオンラインで行われる。募集期間は2018年9月中旬から12月上旬までです。オンライン申込システムを利用すると、応募者はマイページで情報を得たり志望先を提出したりできます。

応募結果は、2019年2月から7月までの間に通知します。ボランティア活動に招待される方は日本国内(海外応募の場合はテレビ電話)で1日間のセミナー及び面談に参加します。さらに、ボランティアとして参加するイベントの直前に、現地の一日共通研修会に参加します。海外からのボランティアの参加を促進するため、組織委員会は非常に力を入れて取り組んでいます。

ボランティア活動を行うには、日本に滞在する期間全体における在留資格が必要ですが、短期滞在(観光)の資格を持っている方は、基本的にこの活動を行うことができます。

当イベントのボランティア活動の最低日数は10日間です。活動時間は、休憩・待機時間を含み、1日8時間程度です。組織委員会のニーズに応じ、10日間未満の活動が指定される可能性があります。

日本の現地までの交通費は自己負担になります。ユニフォームや活動中の飲食は提供されます。

JET関係者をはじめ、ボランティア活動を行う外国籍の方は、来日する選手団・スタッフとその他のイベント関係者の接客、案内やアテンドを通して活躍できます。施設準備・言語サポートやメディア対応の支援にも対応いただくかもしれません。会場・施設の準備は2020年4月に開始します。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のボランティア活動を検討する元JET参加者は、ぜひ以下のURLを確認し応募してください。東京で待っています!

tokyo2020.org/jp/get-involved/volunteer/about/

JETAA-Iからのメッセージ

Ashlie O’Neill、JETAA-I会長、元兵庫県ALT、2013年~2016年

G’day!オーストラリア、シドニー出身のアシュリー・オニールです。
2013年~2016年の間、兵庫県明石市でJETとして働いていました。ご存知かもしれませんが、明石はタコと明石焼きで有名です。明石焼きというのは出汁につけて食べる美味しいたこやきのようなものです。食べたことがない方はぜひ食べてみてください。

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JETプログラムに参加している時、私は地域と全国レベルでAJETの一員として活動していました。全国AJET役員会の元JET参加者関係・情報収集担当を務めたことで、元JET参加者の活動の活発さと素晴らしさを知ることができました。帰国後、私はJETAA-Iの副会長になり、今年から会長に挑戦したいと思いました。幸いなことに投票の結果、会長になることができました。

私は今年の活動をとても楽しみにしています。皆様に紹介したい活動の一つはKenJETKaiのフェイスブックページの開設です。このページ開設の目標は、現役JET参加者、元JET参加者、そして地域住民を繋ぐことです。KenJETKaiが日本の第二の故郷と繋がりを保ちたい方にとって役立つツールになったら嬉しいです。

JETAAにもっと関わりたい方、またはJETAA-IやKenJETKaiについてもっと知りたい方はJETAA-Iのウェブサイトをご覧ください。もしくは私に連絡していただいても大丈夫です。chair@jetaainternational.org.

Rose Tanasugarn、JETAA-I副会長、元島根県江津市及び浜田市ALT、1990年~1993年及び2003年~2006年

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皆様、こんにちは。ローズ・タナスガーンです。カリフォルニア州のロサンゼルス出身ですが、2008年から神戸市に住んでいます。私は自分のことを「JET lifer」と冗談まじりに呼んでいます。というのも、1990年から1993年と2003年から2006年の2回、島根県でJETプログラムに参加しただけでなく、JETAA西日本支部の役員を務めたり、昨秋のふるさとビジョンプロジェクトに参加するなど、元JET参加者としても多くの経験を積んだからです。

特に東南アジアで新しく設立する予定の支部をはじめ、世界中のJETAA支部を支援することを楽しみにしています。さらには、元JET参加者がほとんどいない地域に住んでいる元JET参加者のためにオンライン支部を立ち上げたいと考えています。

皆さんにも地域のJETAA支部の活動に積極的に参加していただければ嬉しいです。JETAA-Iがますます発展するよう、皆様のご協力とご支援をよろしくお願いします。(Yoroshiku!)

県JET会について

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県JET会とは?

「県JET会」は、JETプログラム関係者による県人会のようなグループです。各都道府県別にフェイスブックグループがあり、JET関係者はそれらに入会することができます。

元JETプログラム参加者が入会できるフェイスブックグループはたくさんあり、その多くは都道府県を基盤としています。その中でも「県JET会」が他と異なる点は、現役JET参加者、元JET参加者、そして他の関係者に開かれている点です。県JET会は、既にあるフェイスブックグループと競合するつもりはなく、あくまでも補完する目的で立ち上げられ、他のグループと可能な限り協力したいと思っています。

県JET会に入会する理由とは?

JET参加者として来日する際、過去に参加した先輩とつながることができます。

JETプログラム終了後に日本を離れる際、元JET参加者とのネットワークを持つことで、JETプログラム終了後の生活のサポートを得ることができます。

すでに日本を離れていても、元配属先の都道府県とその現役JET参加者とつながることができます。

日本にいるなら、その都道府県を熟知している世界中の元JET参加者とコンタクトをとることができ、さまざまな情報やアドバイスを受けることができます。

「県JET会」はJET参加者及び関係者とつながる場を提供し、お互いの経験やつながりを深め、相互に高め合っていくことができるでしょう。

県JET会への入会、是非お待ちしております!

チラシをご覧ください。

JETAAトリニダード・トバゴ共和国支部

Nichelle Mitchell、元愛媛県松山市ALT、2009年~2014年

私の場合、初対面の方に会うと必ず出身の話になります。トリニダード・トバゴのことをご存知の方は少なく、地図で見つけられる方もほとんどいないので、母国について教えるのが私のミッションだと思っています。トリニダード・トバゴを離れてから9年が経ちました。最後に帰ったのはもう6年も前になります。しかし、今でも家族と頻繁に連絡を取り合い、母国のニュースにもついていっています。

大阪には世界各国から様々な国の人々が訪れるのですが、ある紹介を経て、国際交流に強い関心のある日本人と出会いました。私は、彼が出会った初めてのトリニダード・トバゴ人だったので、非常に強い興味を持ってくれました。そして、彼の所属するボランティア団体である「センテニアル・ワイズメンズクラブ国際協会」での講演を依頼されました。

私は自分の国に興味を持ってくれている方々の前でお話し、交流できる素晴らしい機会になると思い、喜んで誘いを受けました。国について話すだけではなく、資料やパンフレット、ピンバッジ等講演で配布できる記念品などを入手するため、母国のJETAA支部会長Laurence Inniss氏に連絡を取り、ご協力をいただきました。

2018年4月18日、夜の6時半から8時半まで、ホテルグランヴィア大阪でトリニダード・トバゴについて1時間のプレゼンと質疑応答を行いました。参加者がトリニダード・トバゴについて初めて聞くということで、イメージがしやすいよう、プロジェクターとスピーカーを使用し、音楽、映像、歴史的な情報を取り入れながら発表をしました。例えば、トリニダード・トバゴの観光庁が提供している魅力的な写真やビデオを流したり、ソカ(トリニダード・トバゴ発祥の音楽)の代表Machel Montano氏の音楽をYouTubeで流したりしました。

参加者はトリニダード・トバゴの多様な文化や民族性に魅了されていました。トリニダード・トバゴのように異なる宗教同士が互いに調和し共存している国は少ないです。参加者たちはカトリック教、イスラム教、ヒンドゥー教など異なる宗教を信仰している人々が共に平和に暮らしていることに驚いているようでした。両方の島の自然や野生生物の豊かさにも興味をそそられているようでした。しかし、その夜最も関心を引いたのは、やはり、「カリプソ」と「ソカ」の音楽でした。Machel Montano氏の輝きと才能にあふれる音楽に触れ、感覚を刺激され、思わず足でリズムを取らずにはいられないようでした。

トリニダード・トバゴを紹介する上で食文化は欠かせません。参加者たちはDoubles、Pelau、Bake and Shark、Corn Soup、Black Puddingをはじめとする料理の写真や説明に大変驚いていました。私にとって一般的な家庭料理なのに、初めて見る人にとっては珍しく興味深いようで、説明するのは楽しかったです。

トリニダード・トバゴについてのプレゼンを締めくくるのに最もふさわしいのはもちろんカーニバルです。カーニバルの鮮やかな色、テーマ、芸術的なデザインはクリエーターのPeter Minshall氏とBrian Mac Farlane氏をはじめ、バンドのHarts、Tribe、Trini Revellersなどに代表されます。トリニダードのカーニバルとリオデジャネイロのカーニバルの違いもしっかり説明しました。

プレゼン終了後、質疑応答の時間を設けました。質問の中でトリニダード・トバゴの言語について聞かれ、公用語は英語だと答えると、皆びっくりしていました。別の驚きは、スペイン、フランス、イギリスの植民地として、様々な影響を受けたことでした。

プレゼンやこの記事の準備をしながら、改めて代表としての役割の重要性をつくづく感じました。日本に住んでいる限り、私はトリニダード・トバゴの代表です。より良い人生を送るべく、地元を離れる人も少なくないですが、それでもなお、それぞれが個性豊かな国の国民の一人だということを決して忘れてはなりません。JETプログラムのおかげで歴史家や語り手にもなることができました。

日本の英語教師であることを誇りに思うと同時に、トリニダード・トバゴ人であることに大きな誇りを持っています。

プロフィール
トリニダード・トバゴ出身のニシェル・ミッチェルです。西インド諸島大学セント・オーガスティン・キャンパスで英文学を勉強しました。英語学の修士号を取得した後、2009年にJETプログラムで来日しました。総合的な英語教育に関心を持ち、JETプログラムで5年間過ごした後、さらに日本の教育現場に関わりたいと思い、大阪へ引っ越しました。現在、大阪市教育委員会の英語指導員(C-NET)として4年目を迎えています。

JETとノスタルジーとソフト・パワー外交

Sharleen Estampador-Hughson、元石川県津幡町ALT、2006年~2009年

この1か月でJETプログラムに関する博士号の研究では、ソフト・パワーとノスタルジーのつながりが強調されるとともに、Japan Times、Kyodo News及び在日英国商工会議所のAcumen雑誌に取り上げていただきました。ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院日本研究センターが主催したセミナーのゲスト・スピーカーとして呼ばれ、首相官邸の「We Are Tomodachi」の2018年春・夏号のためにインタビューを受けました。

ジャパン・イン・パースペクティブ社代表取締役Sarah Parsons氏、自治体国際化協会ロンドン事務所Keith Kelly氏の御協力、JETAA UKの後援の下、2016年にシェフィールド大学東アジア学科の研究とイノベーション学部長Peter Matanle先生とともに、JET Academic SIG(JET研究者特定利益団体)の第1回目のイベントをシェフィールド大学で開催しました。ネットワーキングとコラボレーションの機会を設けるために様々な分野で活躍している英国、アイルランド、ドイツ、オランダの大学から来た20人の元JET参加者がこのイベントに集まりました。2017年にノルッチにあるイースト・アングリア大学で日本語研究センター長及びセインズベリー日本藝術研究所の考古・文化遺産学センター長Simon Kaner先生によって第2回目のイベントが開催されました。自治体国際化協会の理事三枝健二氏、また在英国日本国大使館と日本学術振興会と国際交流基金の関係者にも御出席いただきました。このイベントによって「JETAA UK Academic Special Interest Group」というFacebookグループも開設されました。

JETでの経験は、多くのJET参加者にとって日本の文化と社会への評価と理解につながりました。季節の祭り、友人関係、所属学校に関する思い出や体験は個人の成長だけではなく、文化外交にも大きく影響しています。ノスタルジーは日本での一生につながり、JETプログラムでの思い出が大きなパワーになります。ノスタルジーは過去の思い出と未来の夢に存在します。新規JET参加者は日本での新しい人生や生活を想像し、JETプログラム終了後には日本での生活を振り返ります。本研究で思い出と経験から生まれる懐かしさは外交におけるソフト・パワーに対してかけがえのないものであるということを見出しました。

1990年にソフト・パワーという単語を造語したJoseph Nye氏によると、文化交流は人、社会、政府にアイディアと対策を吸収させるパワーがあります。日本のイメージは歴史や日本関係の仕事、日本の製品を通して、人と人の交流が広がっています。各JET参加者がJETプログラムでの経験を胸に留めることは、それぞれの自信につながるとともに、日本の国益にもなります。

研究のために、1980年~2010年の間にALTとしてJETに参加した人に対しインタビューを行いました。JET参加者の約9割はALTであるためALTを選びました。文部省(現:文部科学省)英語教育プログラム(MEF)と英国英語教師養成プログラム(BETS)に参加したAET(現:ALT)も研究しました。それぞれの参加者には全く違う経験がありましたが、著しく似たような状況も体験していました。コミュニティに馴染むことは自分と自国の人との違いに気づき、苦い経験を乗り越えることにつながります。問題の中には職場関係や外国人という理由で目立つことなどが含まれます。このような問題が生じても、彼らは乗り越えることで日本のことが理解できるようになりました。それゆえ日本に残り、日本語と日本の文化の中で生活することを選んだ人もいれば、成長を経て帰国する人もいました。海外に行くことなどにより生活が変化することで、先入観が変わる経験は衝撃的なものです。JETプログラムでの経験により、困難な状況に陥っても前向きになれます。さらに時間が経過すると大切な宝物へと変わります。

春に咲く桜、蒸し暑い夏の日、畳の匂いなど、ノスタルジーは失われることもあります。日本では当たり前だったこれらの思い出はいつしか寂しさに変わります。JET参加者は、日本のコミュニティの中で人と深くかかわり、サポートを受けながら生活し勤務するので、JETプログラム終了後も日本とつながっています。日本との絆となるノスタルジーを通して日本のソフト・パワーとなる方法を理解するには、JETプログラムでの経験が不可欠です。

違う社会や文化の中で生活することで感謝の気持ちが芽生えます。JET参加者は別世界を違った角度から見る機会、そして、日本のことだけでなく、自分のことを学ぶ機会にもなりました。JETプログラムに参加したことで感銘を受け、日本とのつながりを保つきっかけになりました。

プロフィール
Sharleen Estampador-Hughsons氏はカナダ生まれで、フロリダ州のタンパ市で育ちました。現在は英国に住んでいます。ワイト・ローズ東アジアセンターの御支援を受け、シェフィールド大学東アジア学科経済社会研究所で博士号を修得し、研究者として勤務しています。2006年から2009年に石川県津幡町でALTとして勤務した後、在日カナダ大使館でインターンシップを行いました。
連絡先:sharhughson@gmail.com

キオラコテージ:ALTからビジネスオーナー ~教育の仕事から好きな道へ進める~

Joanne Tomooka、元大分県ALT、1996年~1999年

多くのJET参加者と同じようにニュージーランドでの大学を卒業してからすぐJETプログラムで来日しました。異文化を体験しながら、大学の学費ローンを返済するという目標で1年間のみ滞在する予定でした。それから22年を経た現在も日本に住んでいます。

JETプログラムでの3年間の任期を終えた後、大分の人と結婚して2人子供を育てながら、いくつかの保育園と英会話学校で働いていました。教員の経験があったので、田舎でも仕事が多く見つかりました。また、グリーンツーリズムのプログラムでホームスティを体験する中学生の受入れを引き受けました。

家庭を守るとともに、仕事も一生懸命頑張って、満足できる給料をもらいましたが、そこでの生活を楽しめませんでした。私が持っているスキルを活かせていないと感じましたが、大分の田舎では他の道がないと考えていました。

ところが、3年半前に自己免疫疾患で7週間入院されました。ストレスが原因でしたので、私にとって人生で何が大事なのか考える機会となりました。教員の仕事を全て辞め、副業であるクッキーとジャムとグラノーラを作って数軒の店に出すことに集中し始めました。

売上はだんだん伸びてきて、クッキーは美味しいという嬉しい話も聞きましたが、お客さんの声が直接聞けないことから、商品を納めるだけでなく自分の手でお客さんに直接販売したいと考えるようになりました。そこで昨年の11月に私たちのコテージを「Kiora Cottage」という店へとリノベーションを行いました。現在は、私の手作り焼き菓子や日本に長く滞在している外国人の手作りグッズを販売しています。

Kioraという名前はマオリ語でようこそという意味がある「Kia Ora」と「清らか」の二つの単語のコンビネーションです。この言葉のように、Kiora Cottageが清らかな環境でニュージーランドを味わえる場所になると嬉しいです。今のところ、週に3日しか営業していませんが、この新たな人生を非常に楽しんでいます。

店を経営する目的はお金ではありません。幸いなことに主人の給料のみで生活ができるので、お金の心配はありません。人と人の繋がりや新たなコネクションをつくることが目的です。コネクションをつくる一つの方法としては、講師を招き様々なワークショップを開いています。お客さんは少人数のグループで「薬効のある旬食材を使う料理」のような共通の目標に向け、新しいスキルを学ぶとともに、新しい友達もつくることができました。もう一つの方法はオリジナルグッズを発明するために供給者と供給者を繋ぐことです。Kiora Cottageは、お客さん同士で自由におしゃべりしながら情報を交換する場所になってきています。

Kiora Cottageに来訪くださる方に、日本から出なくとも海外旅行に行った気分になっていただけると嬉しく思います。さらには、新しいことに挑戦したい気持ちが生まれることは私の幸せにも繋がります。私と似たようなシチュエーションの方には、英語教員を辞める勇気を持ってもらいたいと思います。英語教員の仕事は良くないという意味ではありません。教育に関心を持てないものの日本に住みたい方には、英語教員以外の選択肢があるということを伝えたいのです。

ビジネスを始めるのは簡単ではありません。周りの人のほとんどから理解を得ていますが、反対している人もいて、諦めたいと思うときもあります。最初に店の看板を出したとき、関係している土地の所有者全員から許可を頂きましたが、近所の頑固なおじいさんは文句を言いました。最初はがっかりしましたが、そのおじいさんは新しいことであれば何でも反対する人ですので、重く受け止めず笑顔で迎えるべきと気付きました。コミュニティの全員から賛成をもらうのは難しいと思います。95%でも十分です。まだ成功したビジネスとは言えませんが、近いうちに言えるようになると思います。コネクションも必要です。試行錯誤を繰り替えし努力するしかありません。周りの人のサポートがなければ成功は不可能です。しかし、本当にやりたいことであれば努力する価値もあります。

もし類似のビジネスを始めようと考えている方がいらっしゃれば、私がこれまで学んだことなどを共有しますのでぜひ御連絡ください。何度も誤りを重ねましたが、ユニークで発展性のあるビジネスを創出できたと思います。Kiora Cottageが「日本の田舎で国際的な工芸品や味を楽しめる」場所であり続けることを期待しています。

Kiora Cottageの商品の人気ランキング

  1. jo-4クッキーです!8種類も作っています。その中で最も人気なのはワイトチョコレートとピーカン(ナッツ)味です。日本のクッキーに比べて味がしっかりしていて7~9枚(種類による)を300円で売っているので、自分用でもギフト用でも非常に良いです。

 

  1. 地元で栽培されたお茶です。このまちで育った素敵な若い夫婦が作っている自家製茶を販売しています。茶葉のブレンドにより、300円~500円で販売しています。店内でクッキーとお茶を楽しめます。

 

  1. jo-2日本に長期に渡り在住する外国人による手作りグッズです。絵手紙、陶芸、ジュエリー、クローシェ、子供用バッグ、弁当用バッグ、子供服など、誰にでもお気に入りの商品があるはずです。日本のお客さんは、質が高い上に日本とは異なる方法で作られた製品に驚いています。

キオラコテージの美味しいクッキーのレシピをご覧ください。

 

 

英語教員の仕事から離れ好きな道に進むためのアドバイス

  1. 自分にとって何が大切なのかを考えることです。今の仕事が好きですか?家族や健康に悪い影響を与えていませんか?もし教育の仕事を辞めたらお金の心配はありませんか?この三つの質問の答えが順番に「いいえ」、「はい」、「はい」であれば、挑戦した方が良いかもしれません。自分にとって何が幸せか、何のスキルを持っているか、新しいビジネスを始めるに当たりそのスキルをどのように活かせるかよく考えましょう。
  2. 誰かの協力を得ること、誰かに尋ねること、マーケットを調べることが大切です。良いアイディアがあればすぐ実行したいと思ってしまいますが、現実的に考えて良い方向に進むため、時間をかけてビジネスコンサルタントに相談することをお勧めします。日本には良い相談相手がいます。教員の仕事をしながら、起業に向けて少しずつ進めると良いでしょう。できるだけ新たなことに挑戦しましょう。失敗も成功もあります。思いどおりにはいかないこともあるかもしれませんが、頑張ってください!

以上の記事は、Connect Magazineの2018年4月号で紹介されたものを掲載しています。(英語)

プロフィール
ジョアンさんはニュージーランド出身で1996年にJETとして大分県に任用されました。16年間英語教員として働いていたあと、起業に挑戦しました。在住外国人の作品や手作り焼き菓子を通して世界の一部を大分の田舎に持ってくることでビジネスを徐々に発展させています。詳しくはKiora Cottageのウェブサイト及びFacebookを御覧になるか、本人に直接メールしてください。
メールアドレス:jotomooka@gmail.com

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