JETとは 関連団体 JET参加希望者 現役JET参加者 元JET参加者

JET Programme FAQs

【レポート、調査など】JETプログラムの今後の取組について(2001)

1  はじめに

 

(1)基本問題検討会設置の趣旨・目的

 JETプログラムは、昭和62年度の開始以来、地方公共団体、教育現場等からの高い需要を受けて、青年交流プログラムとして世界的にも類をみない発展をとげるとともに、国内外での高い評価を得てきているところである。その間、年間招致人数6,000名という当面の目標を達成し、日本全国の市町村のうち約7割の市町村がJET参加者を受け入れるに至った。プログラム創設から15年目という節目の年を迎えるに当たって、これまでのJETプログラムの成果を検証し、プログラムのさらなる充実と発展に向けて現在の課題と今後の方向性を包括的に議論するため、学識経験者、地方公共団体並びに教育委員会の代表、外務省、文部省(現文部科学省、以下同じ)、自治省(現総務省、以下同じ)及び(財)自治体国際化協会(略称:CLAIR、以下同じ)の代表からなる「JETプログラム基本問題検討会」が平成12年10月に設置された。

 

(2)審議経過

 本検討会は、6回開催され、第1回においては、山本正(財)日本国際交流センター理事長を委員長として選出し、JETプログラムの概要や課題の説明後、質疑応答や意見交換を行った。第2回では地方公共団体からのヒアリング及び意見交換、第3回ではJET参加者・経験者からのヒアリング及び意見交換を行った。ヒアリング時には、参加者から現場でのJETプログラムの現状、効果、課題等の説明に加え、JETプログラムのより一層の充実に向けた様々な提言がなされた。それらヒアリング結果も踏まえ、第4回においては、今後の論点について、大きな枠組みや方向性についての議論が行われ、青年交流というプログラムの基本的性格及び地域における国際交流の促進と外国語教育の充実という2大目標を維持することの重要性等が確認された。また、参加者のモチベーションを高める取り組みの充実や効果的な広報の重要性等についても議論された。それらの指摘を踏まえ、第5回においては、参加者が得られる成果、質の高い参加者確保のための工夫、学校での新たな取り組み、という観点から、個別の課題についてさらに整理し、それぞれに対して今後の取り組み方針等についての掘り下げた議論が行われた。これら第1回-5回までの議論を取りまとめた上で、最終回の第6回においては、報告書案についての議論を行い、ここに報告書をとりまとめた。この報告書に示した新たな方向性に従い、JETプログラムのさらなる発展に向けた、関係者の取り組みの推進を期待するところである。

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2 JETプログラムの現状と評価

 

JETプログラムは、世界のグローバル化の潮流に伴い、大きく変化を遂げつつあった我が国の国際化に対する取り組みの活発化を受けて、昭和62年に創設・開始された。 我が国の地域レベルでの国際交流の推進及び中学校・高等学校での外国語教育の充実を目的とし、もって諸外国との相互理解・交流の促進に資することを目的として実施されている。

 

(1)JETプログラムの発展の経緯

 JETプログラムの起源は昭和52年に遡ることができる。その年、文部省により「米国人英語指導主事助手(MEF:Monbusho English Fellow)制度」が開始され、さらにその翌年には外務省及び文部省によって「英国人英語指導教員招致事業(BETS:British English Teachers Scheme)」が開始された。BETSの開始には当時日英議員連盟の事務局長をしていた小泉総理が関与している。

 

 また、我が国における地域レベルでの国際化や国際交流促進の重要性の認識の高まりをうけて、自治省は昭和60年に昭和61年度地方行財政重点施策において「国際交流プロジェクト構想」を公表し、この中では、地方公共団体の国際化施策について一定の方向づけが試みられた。さらに、我が国の外国語教育の充実及び地域レベルでの国際交流促進を通じた我が国と諸外国の相互理解増進を目的とした「語学指導等を行う外国青年招致事業(JET:Japan Exchange and Teaching Programme)」についても、外務省、文部省と協力し、同構想の中において実施が打ち出された。

 

 JETプログラムはMEF、BETSの両プロジェクトを発展的に継承し、外務省・文部省・自治省の3省共同プロジェクトとすることとなり、事業の実施主体は地方公共団体とされた。また、本プログラムの円滑な推進を図るための地方公共団体共同の組織として、国際化推進自治体協議会が設立された。なお、この協議会は現在の(財)自治体国際化協会へと発展している。

 

 プログラムの初年度である昭和62年には、MEF、BETSからの継続者も含め848名の参加者が英語圏の4ヶ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア及びニュージーランド)から招致された。プログラム開始当初の職種は地方公共団体で国際交流業務に従事する「国際交流員」(CIR)と公立中・高等学校において外国語指導の補助等を行う「外国語指導助手」(ALT)の2種類であった。

 

 前述の「国際交流プロジェクト構想」においては、当面の招致目標を「3,000名程度」とし、招致対象国は「実情に応じて順次拡大する」とされていたところ、招致者数は2年目以降も順調に伸び、招致国も英語圏のカナダ及びアイルランドが加わり、さらに平成元年度には非英語圏のドイツ及びフランスを加え、9ヶ国目となる中国からの招致が開始された平成4年度には当初の目標であった、3,000名を達成した。

 

 平成6年度には新たな招致目標として6,000名という規模が打ち出され、また、この年からスポーツ指導を通じた国際交流業務に従事する「スポーツ国際交流員」(SEA)の招致が開始された。 CIRについては、地方公共団体の要望に基づき招致対象国が順調に拡大するとともに、平成9年度より研究・芸術分野での国際交流に従事する青年へも招致分野を拡大し、平成13年度までに、舞台芸術、音楽、科学技術、情報等、多様な分野からの青年が参加し、その専門性を発揮して活躍しているところである。

 

 ALTについては、プログラム開始当初は招致対象言語が英語のみであったところ、平成元年度にドイツ語及びフランス語にも拡大され、平成10年度には中国語及び韓国語も加わって現在計5ヶ国語が対象となっている。また、英語ALTについては、その招致対象国は当初アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アイルランドの6ヶ国からのみであったが、平成9年度からは南アフリカが加わり、平成12年度からはシンガポール、ジャマイカへも招致対象国が拡大されているところである。さらに、地方公共団体からの要望に基づいて、イタリア、フィンランド、インド、イスラエルの国からも英語ALTの招致は行われている。

 

 地方公共団体からのJET参加者への配置要望は毎年伸び続けており、6,000名の招致目標は平成12年度に達成され、平成13年度には6,190名の参加者が招致されているところである。これを職種別の内訳でみると、ALT5,583名、CIR576名、SEA31名となっている。15年間の職種別招致者の増加状況は資料1のとおりである。

 

(2)JETプログラムの評価

JETプログラムは、開始以来15年間に、日本の地域社会、学校現場、生徒、参加者等様々な方面において、影響を与え、様々な効果をあげてきており、内外から高い評価を得ている。

 

@外国語教育・学校教育における評価

 学校教育の現場におけるALTの活動については、生徒の外国語に対する関心の向上、外国語授業に対する積極性の向上、生徒の外国語運用能力の向上、授業内容の充実等、外国語教育の充実への貢献を評価する声が多い。特に、ティーム・ティーチングを通じて、コミュニケーションの手段としての外国語への生徒の興味・理解が増進されてきている。CLAIRの実施した「JETプログラム評価調査報告書」(資料2)によると、ティーム・ティーチングの授業について「楽しい」「どちらかと言えば楽しい」と回答した中学校・高等学校の生徒は全体の9割近くを占めている。また、日本人外国語担当教員の外国語能力の向上にも一定の効果がみられるところであり、外国語教育の面においてALT受入の様々な効果は高く評価されている。

 

 さらに、SEAの受け入れを通じて、受け入れを行った学校の全国レベルの大会をはじめ各種大会での順位の向上や当該スポーツの愛好者の増加、クラブ活動への参加者の拡大等の効果がみられ、また、生徒の技術力の向上のみならず日本人指導者の育成という面でも評価を得ているところである。

 

A地域レベルの国際化における評価

 CIRについては、当初英語圏の4ヶ国のみからの招致であったところ15年間で40ヶ国以上の国々から招致するほどに多様化している。CIRの地方公共団体や地域での様々な活動の結果、国際的なイベントの実施・参加の促進等の地域における国際交流活動の活発化、姉妹都市交流等の日本と海外の自治体間交流の促進、地方公共団体や地域住民の外国語学習の促進による外国語能力の向上等、地域の国際化のために様々な効果をあげているところである。

 また、JETプログラムで来日した参加者は都市部のみならず、小さな町や離島の小さな村にいたるまで、日本全国に配置され、その地域社会の一員として暮らすことになるため、職種を問わず職場での活動以外にJET参加者と接する機会を得ている地域住民の異文化理解や国際感覚の増進にもたらす効果が高く評価されているところである。

 

B海外での日本理解の促進における評価

 15年間におけるJETプログラムへの参加者は合計3万人以上にのぼり、これらのJET参加経験者の中には、在京大使館に勤務したり、日本関連企業に就職する等各界で活躍している者も多い。JETの参加者のOB/OG組織として、JETAA (JET Alumni Association)がJET経験者により自主的に結成されており、現在世界11ヶ国に44支部をもつ会員総数11,395名の組織に発展している。

 

 JETAAはその会員がJETプログラムでの経験を活かし、国際意識を高め、地域の国際化を支援する人的資源として役立つこと等を目標に掲げており、JETプログラムの振興を図るとともに、日本とJETAA支部母国との友好関係の促進に寄与するべく、各国、各支部で積極的な活動を展開している。その内容は、JETプログラムの募集、広報活動への協力、帰国後の参加者への支援や、海外での国際的イベントでの日本紹介等多岐にわたり、JETAAはまさに若い人々の草の根レベルの二国間交流促進に貢献している。また、1995年からは毎年国際総会を開催し、ネットワークの強化や活動のさらなる充実に組織的に努めている。

 

 こうした大規模なJETAAの活動の活発化は、日本の地域の国際化を通じた諸外国との相互理解の進展を目指して始まったJETプログラムの発展的効果であり、日本のみならず海外においても国際理解を促進し、国際的人材の育成に貢献しているとの評価が得られているところである。

 

(3)今後の課題

@外国語教育・学校教育における課題

ALTは今や外国語教育において重要な存在として活躍しているところであるが、従来よりALT側から活動内容、活動機会のより一層の充実を求める声は多い。特に、夏季休業日等、学校の授業がない長期休業期間におけるALTの活動のあり方についての課題は多く、研修や地域での活動などの様々な活動への参加等により学校の授業での活動に余裕のある時間をより有効に活用する方策が模索されているところである。そのような活動内容や活動機会の一層の充実を図ることは、参加者のモチベーションのさらなる向上へつながる意味でも重要性が高いと考えられる。

 一方、学習指導要領の改訂により、中・高等学校における外国語科が必修とされ、中学校では英語を原則履修とするなど、外国語によるコミュニケーション能力の育成がより一層重視されることとなっている。我が国における外国語教育のあり方については、引き続きその全般に渡る議論が行われることが期待されるが、当面は外国語教育におけるALTの役割が重要視されており、それに応じたALT活動方策の一層の充実が課題とされているところである。今後、新学習指導要領が目指す生徒の基礎的・実践的コミュニケーション能力の向上を実現していくためには、中・高等学校の授業において原則週1回以上はネイティブスピーカーによる授業を実施することが必要と考えられており、そのための人材確保を地域在住外国人や留学生等も視野に入れ、様々な面から検討する必要がある。

 また、小学校においても「総合的な学習の時間」の導入により国際理解教育が充実されつつあることから、ALTの小学校での活動を望む声は高く、小学校でのALT活動のあり方についても課題を整理し、対応する必要がある。 また、ALTの外国語指導能力の向上等、より一層の資質の向上も望まれているところである。

 

A地域レベルの国際化における課題

地域での国際交流活動の推進については、CIRがその主な役割を担って活躍しているところであるが、その他の職種においても意欲ある参加者からは、多様な活動への参加を希望する声が高く、地域での国際交流活動のより一層の充実のためにも、それらの参加者がより効果的に活躍できる交流事業のあり方や、活動体制のあり方が課題となっているところである。

 

B海外における課題

 招致人数が6,000人規模に到達した現在、質の高い参加者をより多く確保するための取り組みが重点課題となりつつある。そのためには、参加意欲を高めるための海外でのJETプログラムの評価の一層の向上が必要である。プログラム参加時の活動内容のみならず、参加後にその経験がどのように活かせるのかという観点から、参加者となる青年達、ひいてはその属する母国の地域社会にとっての魅力を高めるようなプログラムの充実が課題と考えられる。

  さらに、そのような観点からの広報活動の充実も重要である。約3万人にのぼるJETプログラム経験者の多くは、世界各国において様々な分野で活躍中であり、それらのJETプログラム経験者の活躍や、関係者によるJETプログラムへの評価に焦点をあて、より効果的な広報活動に取り組む。

 本検討会においては、JETプログラムのさらなる充実のため、上記のようなプログラムの抱える様々な課題に対し必要な制度の見直しや新たな対応策の検討を行った。

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3 JETプログラムのさらなる充実と発展に向けて

 

(1)基本的考え方

日本の地域社会を取り巻く状況は、国際化の進展という観点からも、この10年余りで様々な変化を遂げてきた。その中においてJETプログラムは、外国語教育の充実と地域における国際交流の促進という2つの基本目的のもと、日本の地域社会や学校現場で着実に浸透してきており、今や必要不可欠な存在となっているところである。

 

グローバリゼーションの進展がさらに加速する中にあって、日本の地域レベルの国際化に向けた取り組みにもさらなる多様性が求められており、国際化時代を担う人材育成の基礎である中・高等学校での外国語教育の重要性はますます高まりつつある。したがって、JETプログラムが引き続きそれぞれの分野において果たす役割は、これらの社会の要請に応える上で極めて重要であり、そのためのプログラムのさらなる充実を図ることが必要である。

 

また、国際社会における日本と各国間の相互理解の促進という面においても、JETプログラムが果たしてきた役割は大きいものである。さらに、母国に帰国した後には日本との間の友好関係の重要な架け橋となる参加者側の立場に立ってプログラムに期待されることに応えていくという観点から、プログラムを充実させ、プログラムの国際的評価をさらに向上させていくことも重要であると考えられる。

 

プログラムのさらなる充実と発展を目指すに当たっては、基本目的である外国語教育の充実と地域レベルでの国際化の推進のために、それぞれの分野で期待されるJET参加者の役割に沿った活用を一層充実させることがまずもって重要であり、このことがプログラム創設当初の趣旨にも適うものである。

 

教育現場において、国際化に対応した学校教育を進めるためには、外国語教育と国際理解教育を一層充実することが必要不可欠である。新学習指導要領にも示されているとおり、特に、今後の外国語教育はコミュニケーション能力の育成を一層重視する方向で改善を図ることが必要とされており、現在実施されているティーム・ティーチングはもとより、新たな学校づくりの中で推進されている少人数教育、習熟度別学習を実現するとともに、ALTや外国人留学生の積極的な活動の推進が必要である。

 

中でも、ALTと日本人外国語担当教員とのティーム・ティーチングは、生徒がネイティブ・スピーカーの生きた外国語を正確に聞き取り、その場に相応しい表現に接する機会を提供するものである。また、生徒に、授業の中で外国語を使用するモティベーションを高めさせるという面においてもその効果が期待できる。

 

このように、ティーム・ティーチングに対する今後の期待は高く、その効果をさらに向上させるための努力が求められている。そのためには、ALTの活動事例の積極的な収集とそのより効果的な提供を行う等、学校現場がより積極的にALTの活用の充実に力を入れられるシステムの整備が重要である。

 

今後、学校でのALTの活動をより一層充実させ、外国語教育におけるALTの貢献度をさらに高めることが、学校、教育委員会をはじめ全ての関係機関に求められるところである。

 

次に、地域の国際化に当たっても、JETプログラムの果たす役割には大きなものがある。グローバリゼーションの一層の進展を受け、地方公共団体の国際化戦略の重要性が増大しているところであるが、地方公共団体が今後新たな国際化施策を推進する上では、既に各地域で活躍しているJET参加者の果たす役割には引き続き高い期待が寄せられている。したがって、CIR等のJET参加者のより一層の効果的活用及び招致国の拡大等を図ることにより、国際交流事業の一層の活発化や多様化、地域における国際的資質を備えた人材の育成等への取り組みを強化することが必須であると考えられる。

 

JETプログラムが今まで各分野で果たしてきた役割のさらなる充実への取り組みを前提として、以下の(2)-(4)においては、参加者、地方公共団体、学校、参加者の母国、それぞれの立場から本プログラムに対しさらに期待されることにはどのようなものがあるかという観点のもと、新たな取り組みについての方向性や可能性を探ったところである。

 

(2)参加者及び国際社会にとってのプログラムの意義の充実

JETプログラムの内容の充実を考えるとき、それが参加者のキャリアアップにつながる等参加者にとって満足度の高い内容を備えていることは、ひいては本プログラムにより日本の地域社会や学校現場で得られる成果をより着実に高めることにもつながるという観点が重要である。また、プログラム参加者はJETプログラムでの経験を活かし母国で活躍することが期待されるため、JETプログラムへの参加を通じて参加者が得られる成果を確保することは、草の根レベルでの対日理解の促進及びJETプログラムの国際的な評価の向上に寄与するところである。

 

したがって、JETプログラムを参加者、地方公共団体及び地域社会のそれぞれにとって、より魅力的なものとなるよう、プログラムの内容のさらなる充実に取り組んでいくことが、JETプログラムの一層の発展に寄与するものと考えられる。

 

@JET参加者のための研修機会(日本語、外国語教授法等)の充実

 

≪現状≫

新規JET参加者に対し、来日前研修会では在外公館で基礎知識・情報提供を、来日直後研修会では東京で3省及びCLAIRが、そして取りまとめ団体に移動後は各都道府県等において、生活上や職務遂行上の知識・技術等の研修を行っている。 また、契約期間の半ばには全JET参加者に対し中間期研修会を実施し、外国語教授法など業務関連知識を提供している。なお、2年目を迎えるJET参加者に対しては、より高度な業務知識を提供するため、再契約予定者研修会を実施している。 日本語については、来日前に在外公館において日本語研修を行い、CLAIRから自主学習用教材を配布している。来日後は通信制の日本語講座を無料で受講できる。 これらの研修や通信教育は、JET参加者が自らの知識や能力の向上を図れる機会であり、内容の一層の充実や効果的な活用が望まれているところである。

 

≪今後の方針≫

・研修に関しての連絡調整

新規JET参加者に対して行われる当初の各研修会については、主催各団体における情報交換を緊密にして、研修テーマをそれぞれ明確化し、整理していくことで、より効果的で組織だった研修を構成していく。同様に、在外公館における来日前研修については、均質な一定水準の確保を図る。

 

・研修内容の充実

 外国語教授法やティーム・ティーチングについては、当該研修の機会を増すことや、日本人英語教師用の研修へのALTの共同参加を促進することで、さらにALTとしての資質を向上できる機会を充実させる。外国の大学により提供される外国語教授法に関する通信教育等についても情報提供を行い、JET参加者の自己啓発の機会を拡大する。

 日本語研修については、既存のものに加え、大学や国際交流基金等の主催する日本語講座などJET参加者に受講可能で有効な研修に関して、きめ細かい積極的な情報提供を行っていく。またCLAIRで実施している日本語講座についても、開講時期の見直しにより、より取り組みやすい環境を整える。

・研修への参加環境の整備 任意の研修にJET参加者が出席しやすくなるよう、契約団体等へ職務専念義務の免除の基準を整備するよう働きかけるなどの方法で、環境づくりに努める。

 

・研修参加実績の評価への反映

各種の研修に参加した実績については、業務評価へも反映させる。

 

AJET参加者、契約団体双方へのサポート体制の充実

 

≪現状≫

JET参加者へのサポートについては、各都道府県と政令指定都市にPrefectural Advisor(PA※)が原則2名以上(JET参加者と日本人担当者各1名以上)配置されており、参加者の職務上や生活上の諸問題の解決を援助している。また、CLAIRにJETラインを設置して、参加者が直接JETプログラム経験者であるプログラム・コーディネーターに相談できるシステムにもなっている。

また、CLAIRにカウンセリングシステム委員会を設置し、カウンセリング業務に係る連絡調整を行うとともに、PAに対してはカウンセリングの専門家による研修が行われているところである。特に、PAには地域事情やJET参加者の仕事内容等を十分理解した上で、JET参加者からの相談に対応することが求められており、より豊富な経験が必要とされ、様々な相談をする各JET参加者にとっても非常に重要な存在である。したがって、その役割の一層の充実を図ることは、プログラムのより効果的な実施において鍵となるものと考えられる。

また、契約団体に対しては、契約団体セミナー等を行うとともに、必要に応じて3省及びCLAIRから助言等を行っているが、JET参加者の活動内容をより充実させるためには、各契約団体の参加者受入体制の充実、意識の向上が求められている。

※取りまとめ団体内のJET参加者へのカウンセリング業務を担当する日本人職員及びJET参加者

 

≪今後の方針≫

・PAの人材や役割の充実等によるJET参加者へのサポート体制の充実

4、5年目のJET参加者をPAとして各都道府県等に配置し、現在PAの役割であるJET参加者へのカウンセリングに加えて、JET参加者の有効な活動策の検討についても参画するような役割をPAに担わせることが望ましい。

 

・JET参加者の有効な活動を促進するための契約団体へのサポート体制の充実

契約団体への研修の強化・充実を図る等により、JET参加者のより有効な活動方策の実施を促す。

 

BJET参加者のモチベーション向上のための方策(業績評価等)の充実

 

評価の充実

≪現状≫

JET参加者からは、仕事の内容や成果をより充実したものにするためにも、自らの仕事に対する評価のフィードバックを求める声が多く、それは同時にJET参加者のモチベーションを向上させるものでもあるとの指摘があるところである。しかし、現在各団体において実施されているJET参加者に対する勤務評定については、その性格上、JET参加者には開示されず、必ずしもフィードバックされているとは言い難い。

また、参加者のプログラム終了後の就職等のための在職証明書や推薦状については、JET参加者からの依頼があった場合には、各契約団体から発行している。

 

≪今後の方針≫

・JET参加者へのフィードバックを目的とした業績評価の導入

JET参加者のモチベーション向上と契約団体の活用意識の向上を目的として、 JET参加者本人と契約団体とが共同で、活動内容についての具体的な目標を設定し、達成度の評価等について、JET参加者本人へのフィードバックを行うための評価システムを導入する。

 

・JET参加者(ALT)の意見の反映 より充実した活動ができるよう、各教育委員会において、活動内容等に対する JET参加者側の意見を集約的に把握し、学校現場に反映させていくための方策を立てる。

・勤務評定の厳格な実施 現在「契約団体用マニュアル」に例示されている勤務評定について、その内容が JET参加者の契約内容等に対応した勤務評定となるよう見直しを行い、また、勤務評定の結果を再契約及び再契約期間の延長に反映させる。

 

・JET参加者が帰国後に活用できるような紹介状等の発行 業務における貢献や研修・各種活動への参加実績等を記し、JET参加者が帰国後の就職活動等に有効に利用できるような、紹介状の例示や感謝状を発行する。

A報酬区分の導入の是非について

 

≪現状≫

JET参加者への報酬については、JETプログラムが青年交流プログラムという性格を有していることから、職種、経験年数等を問わず一律のものとなっている。現在の報酬の多寡及びその見直しについては、意見が分かれている。

≪今後の方針≫ プログラムの有する性格に照らして、報酬区分の導入の是非及びその効果等について、さらに検討が必要である。当面は、今回の見直しによるモチベーション向上のための取り組みの成果を見守る必要がある。

 

CALTの多様な活動機会の充実

≪現状≫ ALTの地域等での活動については、海外交流の引率、サマーキャンプへの参加、地域住民への英会話教室等があり、そのうち教育活動事例は文部科学省作成の「外国語指導助手の教育活動実践事例集」において紹介されており、市販されている。 また、ALTの配置先は、都道府県教育委員会、教育事務所、市町村教育委員会、学校等多岐にわたっており、配置先によりALT活動への取り組み状況に大きな差がみられる。

 

≪今後の方針≫

・活動事例の収集と情報提供の充実 地域住民との交流事業や地域の文化活動等におけるALTの活動事例をさらに幅広く収集し、契約団体、PA、ALT等への積極的情報提供を行うとともに、JET参加者用に英語版を作成し、インターネットで提供する。

 

・地域での積極的・効果的なALTの活動に向けた環境の整備 都道府県と市町村、及びそれぞれの首長部局と教育委員会の連携体制を強化するため、都道府県単位での首長部局・教育委員会の連絡調整のための協議会を設置する。設置に当たっては、必要に応じて地域国際化協会の協力も要請する。 また、地域におけるALTの活動については、職務として地域活動等へ従事ができるよう、個々の学校の枠を超えた調整の仕組み作りを促す。 さらに、ALTの招致にあたっては、複数市町村による共同招致や共同活用を奨励する。

 

・各種活動参加実績の評価への反映 ALTが職務として地域住民等との地域交流に参加したことに対して、業績評価に反映させる。

 

DJET参加者の帰国後の支援

 

≪現状≫

JETプログラムでは、JETプログラム経験者が母国に帰国後従事する国際交流活動を重要視し、JETAA組織の定着及び活性化を図ることとしている。このため、在外公館及びCLAIR海外事務所においては、JETAA支部の各種活動に対し援助を行うほか、レセプションなどの機会を活用し現地の地域社会に本プログラム及びJETAAの有用性の紹介に努めている。

また、JETAAは日本文化紹介イベント及び学校訪問による日本紹介(教育キャラバン)などの広報活動を企画実施するなど、母国における対日理解促進に大きく貢献する草の根レベルの自主的な活動も行っている。 さらに、JETAAのネットワーク強化のため、JETAAの国際総会及び地域総会の定期的開催を支援するとともに、CLAIRにおいては年1回「JETAA DIRECTORY」を作成し発行している。 今後は、JETAAを含めJETプログラム経験者に対する支援をさらに充実させることにより、日本と諸外国間の国際理解の促進が一層図られることが期待される。

 

≪今後の方針≫

・JETAAの各種活動支援の充実

在外公館及びCLAIR海外事務所としては、JETプログラム経験者が対日理解促進のために行っている自主的な活動を支援するために、効果的な支援の方途につき具体策を検討する。

・JETプログラム経験者の活躍ぶりの広報強化 インターネット、メディア、在外公館主催のレセプションの機会等を活用して、 JETプログラム経験者の活躍ぶり、JETAAの活動紹介、並びにJETプログラムの魅力、成果及び有用性を積極的に広報する。

 

・JETAAのネットワークづくりの支援

JETAAの地域的・国際的ネットワークの強化を目的に、外務省及びCLAIRにおいて、JETAA国際総会及び地域総会の開催に対する協力を継続実施する。また、CLAIRにおいて、JETAAの会員を対象とした出身国・参加年度・配置団体ごとのメーリングリストを整備することにより、JETAAのネットワーク化を後方支援する。

 

・JETプログラム経験者への情報提供の充実

JETプログラムのホームページを通じ、JETプログラムに関する最新の情報、国内の自治体の国際交流情報、協力要請、参加各国の在外公館等からの情報等、 JETプログラム経験者への情報提供の充実を図ることにより、JET参加者が帰国後も日本とのつながりを維持できる体制を強化する。

 

・JETプログラム経験者の就職支援体制の充実

日本滞在の経験を活かしたJETプログラム経験者の就職先としては、在外公館等が挙げられるが、今後は在外公館、CLAIR海外事務所及び日本関連団体等が連携し、JETAAの協力を得て就職情報を提供する。例えば、日本人学校等における外国語担当教員としての就職など、JET参加者の帰国後の就職支援体制を充実させる。

 

(3)質の高い参加者の確保

招致人数が6,000人を超える規模に達した現在、参加者層の充実を図るとともに、質の高い人材をより豊富に確保することによって、JETプログラムの質を維持・向上することが必要である。

 

@JETプログラムにおける参加要件の緩和

 

≪現状≫ JETプログラムでは、青年交流の性格を有すること、及び国際相互理解促進の観点から出来るだけ多くの外国の人々に日本を知ってもらうとの考え方を踏まえ、従来より主な参加要件(応募資格及び契約年数)を、以下のとおりとしている。

@35歳未満であること。

A過去もしくは現在JETプログラムに参加していないこと。

B過去10年間で合計して3年以上にわたり日本に居住していないこと。

C募集選考地国の国籍を有すること。

D契約団体及びJET参加者の双方の合意の下、最高2回まで再契約可能。 しかしながら、近年、招致人数の急増に対し応募者数の頭打ち現象が見られるため、プログラム応募者の中での質の高い参加者の確保のためには参加要件を見直し、適当なものについては緩和し、応募者の枠を広げることが求められている。各都道府県・政令指定都市教育委員会では、上記@の要件緩和に約6割が、また上記B及びDの要件緩和(Bについては撤廃を含む)に約8割が賛成している(資料3)。「JETプログラム評価調査報告書」及び募集・選考を担当する在外公館においても、@-Dの要件については、緩和に賛成の意見が多い。

 

≪今後の方針≫

プログラムの基本的性格を維持しながら、意欲と能力のある参加者を幅広く確保するため、以下のような見直しを行う。

 

・35歳未満という年齢要件を40歳未満まで緩和。 (青年交流というプログラムの性格からは年齢要件を維持する必要はあるが、例えば青年海外協力隊の応募資格は40歳未満となっているので、このような例を参考とする。)

 

・再応募については、条件を緩和。

 

・過去の日本滞在期間による制限を緩和。

 

・募集対象国に居住している者について、国籍要件を緩和。

 

・3年間の契約満了者で特に勤務実績・日本語能力等が優秀な者については、更に2回程度の再契約を認める。

 

なお、4-5年目のJET参加者については、例えばPAとして各取りまとめ団体へ配置したり、小学校での国際理解教育で活動する等、有効な人的資源活用に配慮する。

 

A広報、募集・選考活動の充実

 

≪現状≫

JETプログラムにおける募集・選考活動は、JET招致対象国の在外公館において実施しており、招致人数の増加に伴う応募者数の増加に対応するべく、広報においては募集時期(毎年9-10月)にCLAIR職員を海外派遣し大学での説明会への協力やJETAAとの意見交換会の実施等を行ったり、募集・選考においてはITを活用した募集を開始する(平成12年度より外務省ホームページから応募用紙のダウンロードを可能にした。)等、体制の強化を図ってきた。 しかしながら、事業規模の拡大に伴う事務量の急増に対し、必要人員の手当は必ずしも十分ではなく、特に招致人数の多い英語圏の在外公館においては、現状において既に予算的にも人員的にも募集・選考体制の限界に達している。

 

≪今後の方針≫

質の高いJET参加者を確保するためには、応募者のベースを広げ数を増やし、その中から一定の質以上の者を選考する募集・選考体制の強化が急務であるところ、限られた予算の中で、以下の通り体制強化及び効果的広報を実施する必要がある。

 

・外部委託等による募集・選考事務の効率化の促進

応募人数の特に多い英語圏諸国の在外公館において、募集選考業務の一部を外部委託することにより、作業の効率化及び在外公館の負担軽減を図る。

 

・CLAIR海外事務所及び現地日本人学校等との協力体制の強化

在外公館での募集選考については、現地の事情を勘案しつつ、CLAIR海外事務所及び現地日本人学校等から協力を得て、募集選考体制の強化を図る。

 

・インターネットの有効活用及び在外有識者の人的ネットワークによる効果的な広報推進

応募者の増加を図るためには、潜在的な応募者の発掘が必要であるところ、従来のポスターの掲示や大学での説明会等の地域に根ざした広報活動に加え、広域に効果のあるインターネット広報の拡充やJETプログラムに関係する在外有識者の広報活動への協力確保等において、戦略的広報を推進する。

 

(4)新しい学校づくりへの貢献

JETプログラムにより、中・高等学校では、教員ではない外国人(JET参加者)が日本人教員とティーム・ティーチングで授業を行うという形態が定着し、ALTは教育現場において重要な人材として活躍している。文部科学省では、教育改革国民会議の報告を受け、「21世紀教育新生プラン」を掲げ、教育改革のための具体的な施策に取り組んでおり、その中で「新しい時代に新しい学校づくり」を行うことを大目標の1つとして掲げている。このような教育改革の大きな潮流を受けて、学校の創意工夫による特色ある教育が求められているが、その実現においてALTが新たに果たせる役割にも期待が寄せられるところである。

 

@JETプログラムによる学校教育の一層の充実

 

≪現状≫

平成13年度から5か年計画で第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画がスタートしており、今後、少人数指導や習熟度別学習などのきめ細かな指導を行う学校が増加していくことが予想される。その中では、外国語教育においても学習単位を小さくして行う学校が多くなることが考えられ、ALTの活動場面も増加していくものと思われる。また、新学習指導要領においては、厳選された基礎・基本の徹底、個に応じた指導の充実等を達成するため、各学校が創意工夫を生かし、特色ある教育を進めることができる「総合的な学習の時間」が創設されるとともに、授業時数の弾力化や内容の大綱化が行われることとなる。「総合的な学習の時間」は小学校においても導入され、国際理解教育の一環として、外国語会話学習の実施が可能となっている。国際理解教育は、外国語教育だけでなく他の教科や特別活動など学校教育全体を通じて推進されることが期待されており、ALTの存在は、そのような学校教育における取り組みの充実にあたって、一層重要な役割を担っていくものと考えられる。

 

≪今後の方針≫

・ALT活動事例集の充実

各学校のALTの効率的かつ効果的な活動をサポートするために、学校教育におけるALTの活動事例に関する情報を定期的に収集するとともに、それをあらゆる方法で積極的に提供する。文部科学省著作の「外国語指導助手の教育実践実例集」を学校でより使いやすいものに改訂し、ALTの望ましい活動のあり方を示し、これを実践していくことにより、ALTが各学校や教育委員会で一層活躍できることを目指す。

 

・ALTの参加による国際理解教育の推進

ALTが外国語の授業以外に、クラブ活動や課外活動、文化祭、体育祭、全校美化運動などの学校行事、遠足、修学旅行などの集団宿泊行事などに、積極的に参加することによって、外国語を用いたコミュニケーションの場を広く生徒に提供できるとともに、日本の伝統や文化について理解を深めたり、生徒の交流を深めることができる。したがって、ALTは国際理解教育の充実に相応しい人材として高い期待が寄せられており、その積極的な活用を推進していくことが重要である。

 

A小学校における国際理解教育の充実

 

≪現状≫

新学習指導要領によって、小学校においても、「総合的な学習の時間」が創設され、国際理解教育の一環として、児童が外国語に触れたり、外国の生活や文化に慣れ親しんだりするなど、小学校段階にふさわしい外国語会話学習を行えることとなった。現在、学習指導要領の移行措置により、全国の公立小学校においてこの時間を利用して、何らかの形で英会話の学習活動に取り組んでいるとしている学校は、全体の約4割となっている。こういった小学校のニーズに対応するため、小学校で月2回程度、ALT又は地域在住外国人や留学生等の外国語に堪能な者が授業に参加できるよう必要な人材を確保することが必要と考えられているが、現在は中・高等学校配置のALTが小学校を訪問してその実施に協力している。来年度からの学習指導要領の本格実施により、外国語会話学習の機会を設ける小学校はさらに増加すると予想され、ALTが小学校で活躍する場面も、一層増えていくものと考えられる。

 

≪今後の方針≫

・中・高等学校配置ALTの活動の推進

現在中・高等学校に配置されているALTのより有効な活用によって、小学校での外国語会話学習へのニーズに対応することを推進する。

 

・小学校専属ALTの配置

小学校においては、外国語専科の教員等がいないため、個々の小学校へのALTの配置は困難であるが、小学校を対象としたALTを置く場合にあっては、教育委員会単位での配置を行い、管内の小学校を巡回することが適当である。またその際、小学校における外国語会話学習は、中・高等学校における外国語教育とは、教育目標、内容、指導方法などの点から、自ずとその性格を異にしているため、一定の指導助言を継続的に行える十分な指導体制が確保されていることを必須の条件とする。

 

・小学校英会話学習のための研修におけるALT活動の推進

平成13年度から文部科学省と独立行政法人教員研修センターは、共催で、小学校教員を対象に小学校英語活動研修講座を実施することとなっている。小学校における教育活動に反映するため、この講座にALTとの模擬授業等を積極的に取り入れ、ALTとの活動の場面をできるだけ多く提供し、小学校における教育活動に反映させることが重要である。

 

BALTの特別非常勤講師としての任用

 

≪現状≫

現在、ALTが授業を行う場合、全てティーム・ティーチングという授業形態をとっている。これは、外国語のコミュニケーション能力の育成という観点から有益である一方、制度面から見て、我が国の教員免許を持っていないALTが単独で外国語の授業を行うことは、教育の質の確保が必ずしも保障されないことからとられている措置である。しかし、意欲と能力の高い一部のALTからは、ティーム・ティーチングではなく単独で授業を行いたいという要望も寄せられている。これについては、既に特別非常勤講師制度が導入されており、我が国の教職員免許状を取得しなくとも、この制度を活用して1人で授業を行わせることができることとなっているが、現在実施している学校はない。

 

≪今後の方針≫

・ALTの特別非常勤講師としての活動の推進

母国での教員資格を有するALT等、経験が豊かで、適切と判断されるALTについては、各教育委員会においてALTの希望を勘案しつつ、既存の制度を活用して、ALTに単独で授業を担当させることを推奨していく。

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4 まとめ

 

(1)JETプログラムのさらなる発展と充実のための取組

グローバリゼーションの進展がさらに加速する中にあって、国際化時代を担う人材の育成及び地域の国際化の推進という、JETプログラムの基本的な目的・意義については、さらにその重要度を増してくるものと考えられる。 今後においても、引き続きJETプログラムが十分な成果をあげていくためには、プログラムの基本的な目的・意義に立ち返りつつ、適切な見直しを実現していくことが必要である。 JETプログラムの基本的な目的・意義に基づき、プログラムのさらなる発展と充実を図っていくために、本検討会においては、上記の3(2)から(4)において、「今後の方針」としてプログラムの見直し案を提言したところである。関係各省、CLAIR、地方公共団体その他の関係者にあっては、本検討会が「今後の方針」として提言したプログラムの見直し案について、その実現に向けた真摯な取り組みを行うことを期待するところである。

また、日本理解の促進の観点から、JETAA等に対して引き続き支援を行うとともに、JET参加者のたゆまない努力と熱意が、地域における国際交流の促進と外国語教育の充実に大いに寄与していることを地域住民に広く周知する必要がある。

 

(2)見直しの実施時期について

本報告書において提言しているJETプログラムの見直しに係る各項目のうち、平成14年度の募集から実施できるものについては、その実現に向けての取り組みを進めていく必要がある。 また、その他の項目についても、着手できるものから順次、可能な限り早期にその実現に向けて、関係省庁やCLAIRのみならず、各地方公共団体においても努力していく必要がある。

 

(3)今後の招致のあり方について

JETプログラム参加者の今後の招致については、各地方公共団体におけるJET参加者の配置状況、海外における応募者の状況等から、まずは今回提言したJETプログラムの見直し案を実現することにより、プログラムの基本目的に沿った制度の充実を図ることが先決である。 また、並行して、以下のような観点を踏まえ、引き続きJETプログラムが日本の地域社会の国際化と教育現場での外国語教育の充実に貢献できるよう、可能な範囲で地方公共団体の配置要望に対応していくことが必要である。

・多様な国際交流への貢献 JETプログラムへの参加を通じて、海外における日本の理解者が増加することは、我が国と諸外国間の草の根レベルでの信頼醸成につながり、真の友好関係を構築する有効な手段として大変重要である。

・教育現場における配置要望 新しい学習指導要領におけるコミュニケーション能力の重視、外国語指導方法の改善、少人数教育や習熟度別学習の実施、小学校での国際理解教育の実施、外国語教育の多様化への要請等により、配置要望の増大が予想される。

・応募者数の状況及び質の向上 応募の資格要件の弾力化、広報活動の充実、招致国の拡大等の効果による一定の能力を持った応募者の伸びの状況を見守る必要がある。また、経済情勢に応じた応募者の変動も予想される。

・プログラム運営体制の整備 事業規模に対応して、募集、選考、配置、研修、カウンセリング等の運営体制を整備・強化する必要がある。

・財政負担 最近の国・地方を通じた厳しい財政状況を勘案すると、財政負担の面からの検討も不可避である。

 

(4)今後のフォローアップについて

本報告書に盛り込まれたJETプログラムの見直しに係る各項目の実施状況や効果については、定期的にそのフォローアップに努めていく必要がある。 また、JET参加者、地方公共団体、学校、生徒その他の関係者からの、JETプログラム自体に対する評価についても、定期的に実施し、それをもとに必要な見直しを関係各省及びCLAIRにおいて行うことが必要と考えられる。